HOME > 珊瑚について

□ 珊瑚にまつわる様々なお話

珊瑚

■ 「桃太郎」の物語

桃太郎が鬼退治をして故郷に持ち帰えった宝物は「金、銀、珊瑚、綾錦」とされています。

■ 土佐「よさこい節」

純信(土佐・竹林寺の僧)が、お馬(いかけ屋の娘)に贈ったかんざしは珊瑚でした。

■ ラッキーアイテム

珊瑚の美しく豊かな色合いは神秘的であり、昔から安産・魔除け・天災・毒物に対する御守りとして、宝を生む、幸福が集まる、願い事が叶うなどと言われています。
※古くから珊瑚は宝飾品としてよりも、魔除けや信仰の対象とされてきましたが、特に珊瑚やヒスイは中国では「不老不死」「開運」のアイテムとして珍重されています。

■ 財政援助

幕末の土佐藩の財政を支えたのは珊瑚と言われています。

■ 唇

シェイクスピアの作品に「珊瑚のような唇が…」と珊瑚は「唇」の代名詞として書かれています。
※当時の美女のイメージは、雪のような白い肌、太陽のように輝く目、珊瑚のような麗しい唇…であったようです。

□ 珊瑚についてのマメ知識

珊瑚の群生地
珊瑚の群生地

収穫された珊瑚
収穫された珊瑚

分別作業
分別作業

研磨作業
研磨作業

アクセサリー
アクセサリー

原木の置物
原木の置物

彫刻された珊瑚-Ⅰ
彫刻された珊瑚-Ⅰ

彫刻された珊瑚-Ⅱ
彫刻された珊瑚-Ⅱ

■ 宝飾用珊瑚と珊瑚礁との違い

  • 宝飾用珊瑚は水深30メートル~1,000メートル位のところに育つ「八放珊瑚」であり、八本の触手を持つサンゴ虫の骨格です。
  • 珊瑚礁は「六放珊瑚」という種類であり、六本の触手を持つサンゴ虫で細かい穴が多くて脆いため、宝飾用には加工できません。

■ 海の宝

  • 珊瑚は、真珠とともに「海の2大宝石」といわれ、古い時代から親しまれてきました。
    ※山の宝石=金、銀、ダイヤモンドなど。

■ 東洋と西洋

  • 東洋の代表的な宝石は、金銀、珊瑚、真珠、瑪瑙(メノウ)など。
  • 西洋の代表的な宝石は、ダイヤモンド、ルビー、エメラルド、サファイヤなど。
    ※一般的に、西洋の宝石は光り輝き、原色で目を刺激します。一方、東洋の宝石は光を吸収(光を抑えた)し、しっとりと深い色彩を湛えたものが尊ばれてきました。特に珊瑚・真珠は古くから日本文化に根をおろした代表的な日本の宝石と言えます。
    ※江戸時代以前、日本で宝石店(玉屋)といえば、珊瑚屋のことでした。

■ 珊瑚の出来る過程

  • 珊瑚は動物であり、腔腸動物門花虫綱八放サンゴ亜綱サンゴ科の総称です。
  • 八放珊瑚の仲間は、羽状の8本の触手を持ったサンゴ虫が集まり、高さ30~50cmもの群体をつくります。そのサンゴ虫が成長すると石灰性物質によって骨格が形成されます。それが珊瑚です。
    ※骨格の成分=炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど。
  • 100年以上もの永い年月の間にその骨格が積もり、海の中で樹の枝のように形成されたのが原木です。その原木から様々な製品を加工します。
  • 深海から採る為、枝ぶりの良い良質の原木は稀で、奇跡に近いといわれる程です。成長に100年以上も要すると言われており、希少価値と言えます。生木(なまき)と言われる艶の良い珊瑚を使った製品が良品です。

■ 珊瑚の採取

  • 水深100メートル位の海底に錘(おもり)をつけたロープを降ろし、その先に網をつけて採ります。
  • 一度採取すると、そのあとの珊瑚が価値のある原木に育つまでには100年以上かかります。
  • 沖縄海洋博覧会(1975年~1976年)が開催された頃をピークに採取量は年々減少しています。

■ 高知県が珊瑚で有名な理由

  • 珊瑚の歴史は地中海(イタリア)に始まりますが、世界的に珊瑚の水揚げが多いのが、日本近海です。
  • 特に、土佐沖で良質の珊瑚が大量に採れ、しかも日本は加工技術が優秀です。
  • 日本全国の珊瑚製品の生産額は推定85億円で、その内、高知県で66億円(約80%)と言われています。

■ 珊瑚の採取場所(漁場)

  • 昔は、珊瑚の産地として地中海が有名でしたが、現在では日本近海であり、日本や台湾の船によって珊瑚網の底びきが行われています。
  • 特に人気の高い赤珊瑚を供給する土佐沖は、重要な採取漁場となっています。
  • 日本の船は殆んど土佐(高知県)で水揚げされ、土佐で入札されため、「土佐が珊瑚のメッカ」と言われています。

■ 珊瑚の歴史

  • 古渡り(こわたり)珊瑚
    世界で最古の珊瑚は、地中海産(特にイタリア)で、紀元前から武器の装飾等に用いられていました。日本では、日本近海で珊瑚が発見される以前より地中海産のものを「古渡り珊瑚」(イタリア→ペルシャ→中国→日本)と呼んで輸入し、貴重な細工物として使用していました。
  • 輸入
    江戸時代中期頃まではオランダや中国から輸入していましたが、品物が少なく、庶民には手の届かない貴重品でした。
  • 日本で初の珊瑚漁場発見
    1830年代に初の珊瑚漁場(室戸岬沖)が発見され、製品が普及し始めました。
  • 大漁場の発見
    1965年にミッドウェイ近海で、次いで1967年に南シナ海でそれぞれ大漁場が発見されました。
    ※これ以後は大漁場の発見は無く、採取量は年々減少しています。

■ 珊瑚の色

  • 赤(濃い赤色)
    水揚量が少ない。大きな原木が少ない(小枝が多い)。

  • 赤に次ぎ水揚量が少ない。彫刻などに使用されることが多い。
  • ボケ、エンゼルスキン(天使の肌)
    桃と白の中間色。海外の方に人気が高い。

  • 夏場に需要が多い。置物の素材としても人気がある。

■ 珊瑚の価格について

  • 彫刻品などは製品の出来具合に大きく左右されます。
  • 色、デザイン(小物)、大きさ、加工技術(研磨、カット等)、枝ぶり(原木)、全体の形(原木)、付属宝石(金、銀、ダイヤ等)によって変化します。
  • 色と価格の関係は、日本と海外、昔と現代とで異なりますが、赤が良いとされます。

■ 珊瑚の細工方法

  • 枝を硝酸につけ、外側の不純物を取り除きます。
  • 細エ物の大きさに応じて適当に切ります。
  • 金剛砂で磨き、これをさらに角粉等で磨いて光沢を出します。
  • 珊瑚の色は自然の色であり、発色の理由は、はっきりしていません。
  • 薬品でも変色しにくいと言われます。
  • 珊瑚で彫刻が出来るのは、硬度が小さく、軟らかいためです。
    *珊瑚硬度3.5、象牙硬度2.25、ダイヤモンド硬度10.0

■ 主要宝石の硬度と比重の比較

主要宝石の硬度と比重の比較

■ 珊瑚は3月の誕生石

  • 1月 ガーネット (貞操、真実、友愛、忠実)
  • 2月 アメジスト (誠実、心の平和)
  • 3月 珊瑚、アクワマリン、ブラットストーン (沈着、勇敢、聡明)
  • 4月 ダイヤモンド (清浄無垢)
  • 5月 ひすい、エメラルド (幸運、幸福)
  • 6月 真珠、ムーンストーン (健康、長寿、富)
  • 7月 ルビー (熱情、仁愛、威厳)
  • 8月 サードニクス (夫婦の幸福、和合)
  • 9月 サファイヤ (誠実、徳望、慈愛)
  • 10月 トルマリン、オパール (心中の歓喜、安楽忍耐、悲哀を克服して幸福を得る)
  • 11月 トパーズ (友情、友愛、希望、潔白)
  • 12月 トルコ石、ラピスラズリ (成功を保証する)
  • 誕生石の由来
    昔、ユダヤの僧が胸に12個の宝石を飾っていたこと、西洋には古くから生まれ月が一生を支配するという占星術が信仰されたこと等から来ています。
    現在のような誕生石の選定は、1912年にアメリカの宝石商が季節感も考慮して決めたものと言われています。

■ 今後の市場性

  • 珊瑚は出来るまでに永い年月(100年以上)を要する自然の産物であり、養殖できません。
  • 珊瑚の原木は、新しい大漁場が発見されない限り、減少していく定めにあります。
  • 製品の需要は年々増大しています。特に西欧ではその価値が見直されており、今やダイヤモンド等と並んで、高級宝石の仲間入りをしています。
  • このため、近い将来、特に良質な珊瑚の価値が上がり、入手困難な宝石になるだろうと予測されています。

■ 珊瑚の保管・手入れ方法

  • 真珠と同様に、高温、高湿度、乾燥、酸に弱いため、注意が必要です。
    ※暖房器具の近くに置かないでください。
  • 珊瑚は硬度が小さいので、堅い宝石が直接触れないようにしてください。
  • ネックレス、指輪、ブレスレットなど、直接肌につけるものは、埃や汗、化粧品などが付くため、時々石鹸水等で拭き取ると良いです。
  • ネックレスの糸などは、長期間使っていると傷むことがあり、切れて珊瑚がバラバラに飛び散ることもあるので、少なくても年に1度程度取り替えることも必要です。